ゆずきのブログだお。

自由気ままに投稿します。基本的にレビュー関連の記事が多めです。

価格以上、大きさ以上の高音質!! これぞ未来のオーディオ、HomePodレビュー

What is HomePod?

HomePodは、今ではイヤホン(ヘッドホン含む集計)で最も高いシェアを持つオーディオブランドとしての側面も持っているAppleが「我々は、iPodiPhoneApple Music、AirPodsで外での音楽体験を革新してきた。次は家の中のオーディオを刷新する」⇦(WWDC17でのHomePod発表の前振りの要約)という威勢の良い言葉とともに2017年に発表されたスマートスピーカーである。
HomePodはまさに今の音響技術の集大成のような製品で、小さくシンプルな見た目の筐体の中に、今ある技術の全てが集約されているといっても過言ではない代物だ。
Appleは今ある技術を集約し、家の中での音楽体験を刷新しようとしたのだ。
その結果生まれたものがこのHomePodというものである。
オーディオの未来、此処に有り!!

 

いざ、開封の儀!

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HomePodの箱

HomePodの外箱は、とても小柄な本体とは対照的に巨大である。
近くの家電店で買ったのだが、家まで歩きで運ぶのが大変なほど重量を感じたが、中身のHomePodはそこまで重くない。

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外箱には紙製のテープラベルで封がされている

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テープラベルを剥がすといよいよHomePodの箱がお目見えする。

この箱、地味にすごいのがこのHomePodの箱の上に段ボールの長方形が二つ乗っかっているように見えると思うが、これら二つを外側に開くと箱が外箱から浮き上がる仕掛けになっている。
なんというこだわりだ!
箱にまで妥協しないAppleのHomePodへの本気度が伺える。

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HomePodの箱。

いつものAppleらしいシンプルで美しい箱である。ぺりぺりビニールもいつも通りだ。

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箱を開けたらこうなる

箱を開けるといきなり下箱に隙間なく収まったHomePod本体が現れる。
この隙間ないほど緻密に作られた箱。
とても美しい…

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内容物

中身は以下の通りだ、あの下箱に丸いクイックスタートガイドとシールが入ってる。

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コード

電源のコードは本体から直接伸びていて、先端はコンセントプラグになっている。

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miniと並べるとこんな感じ

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Siriが起動すると天板にこのようなアニメーション(画像は動きませんが、現物は動きます)が表示される。

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音楽やメディアを再生しているとこのように音量キーが表示される。

ちなみに、天板を長押しするとSiriが起動する。
普通に押すと再生停止、二回押しで次の曲、三回押しで前の曲に戻ることができる。




〜HomePod、何がすごいの?〜

少し難しい?いや、この記事を読みに来てる人にとってはかんたんな話をする。

先程HomePodには今ある技術が集約されていると紹介したが、少し大げさである。

ただ、音の最先端の詰め合わせという意味では間違いではない表現だ。

そんなHomePodには以下の技術が搭載されている。それもこんな小さな筐体に…

iPhone6やAppleTV HDに搭載されているApple Silicon SoC「A8チップ」

・7方向に向いたAppleが設計した独立アンプ(個々それぞれにアンプがついてる)の7つのツイーター

・驚異の振幅2cmを誇るAppleが設計した上向きのウーファー

・6つのマイクと低音調節用のマイク(ウーファー付近に設置されている。ウーファーの音を捉える)

 

大きくこんなものだ。この中でもなにが「音の最先端」を実現しているかというと、これらの筐体すべてのコントロールを担っているA8チップだ。

このA8チップによって以下のことを実現している。

・低音調節マイクの情報をもとに、低音の具合をリアルタイムに調節

・6個のマイクからの情報を元に音響特性や置かれた位置を認識。ボーカルは中心に向けて直進的に音を飛ばし、伴奏などは左右にチャンネルを分けて壁に反射させるように音を鳴らす。

主にこの2点だ。だが、この2点がまさしくHomePodの真髄とも言える。

これこそがHomePodが音の未来である理由である。

更に当然ながらSiriを使用することでCDなどを刺さずに音楽を楽しめる。さらに、AirPlay2を使用してiPhoneなどから音を飛ばすことができる。要するにこれは「現代版一体型コンポーネントシステム」である。

それ以外に凄いところはやはり連携面である。
HomePodをAppleTVのある部屋に配置すればHeySiriでAppleTVをコントロールできるようになるのだ。
さらに、AppleTVとHomePodを繋げると、HomePodで音楽を流した際に AppleTVが起動し、再生中の項目を表示する。
対応しているものであれば、歌詞も表示してくれるのだ。

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HomePodとApple TVでの音楽再生。(少し昔に撮影したのでこのあと載せる写真とはテレビ前のレイアウトが異なる。)

どうせお高いんでしょ〜?と思った皆さんに朗報です。
これでお値段¥32800+taxだ!!

御託は此処まで、此処からは実際に2ヶ月以上使って思ったことを正直に述べる。
少し過激な表現や、そもそものHomePodというものに対する否定的な意見も含まれる。
見たくない人は此処でブラウザバックしてほしい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

選抜完了。それでは本編へ入ろう。

小さいのは大きさだけ。誇れる長所は音質だけ。高いのは値段だけ。
オーディオの未来を模索したものの失敗したオーディオの敗北者、HomePod使用2ヶ月レビュー

小さいのは大きさだけ

HomePodは圧倒的な数のツイーターと、迫真の振幅を誇るウーファーのパワーにより音量は大きい。
迫力もすごくて、映画を見るときにはまるで映画館にいるかのようか感覚に浸ることができる。
実際、この2ヶ月間に数々の映画やアニメをApple TVを使用し、HomePodで音を鳴らし、見てきたが。HomePodの存在が音にかき消される。
そこに何もないのに音が聞こえてくる。
何かの圧がある。
そのような感覚なのだ!
空間が音になる。
語彙力がなくて変な表現になってしまったことをお詫び申し上げる。
驚きなのはこれがとても小さなボディーに収まっていることだ。
このスピーカーは音楽鑑賞だけでなく、映画鑑賞にも向いていて、さらに小さいのだ!
ビッグな音量、ビッグな音圧、ビッグな迫力。
小さいのは本体の大きさのみだ。
HomePod miniはなんとなく小さいスピーカーだなと感じる音なのに対して、HomePodは大きさを忘れるほどの迫力…というよりも、HomePodの存在を忘れるほどだ。
繰り返しにはなるが、空間が音になり、その迫力のサウンドがHomePodの小さな筐体の存在を掻き消してしまう。
これには本当に感動した。

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リビングで映画を見ている様子。

誇れる長所は音質だけ

先述の通り、HomePodのサウンド体験は驚きを飛び越えて感動するほどのものだ。
しかし、HomePodの良さを説明しろと言われても俺にはこのサウンド体験についてしか話せない。
他は特にすごく目立った長所もない。
強いて言うならば、Apple TVにつなげているときに、Hey SiriでApple TVを操作できたり、通話(FaceTimeか電話限定)を飛ばして通話スピーカー&マイクとして使えるくらいだ。

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HomePodをマイクとスピーカーとして通話に使用すると中央が緑色に光る。なお、MaciPadのように同じWiFiネットワークに接続されたiPhoneにかかってきた電話にHomePodで出たりすることはできず、かかってきたFaceTimeオーディオに出ることもできない。この機能を使用するにはiPhoneなどで通話を開始してから、通話画面の「オーディオ」というボタンを押して、HomePodを選択する必要がある。



他のことは他社のスピーカーでもできるし、ましてや他社の方が優れている機能の方が多い。
Siri音声認識も、ウェイクワードの聞き取り精度は高いものの、その後の言葉の認識能力はAlexaやGoogle Assistantに大きく劣っている上に昨日も必要最低限。
HomePodという買い物は、約4万円(税込)でサウンド体験を買うと思った方がいい。
だが、このサウンド体験は約4万円(税込)に値する。
それだけでも約4万円(税込)を払う価値がある。

 

高いのは値段だけ

先ほど値段に値するサウンド体験と称したが、これを存分に体験するためにはある程度事前に環境を整える必要がある。
声で選曲したり、天板タップで音楽をすぐに流したいのであればApple Musicのサブスクリプションが必要になる。
他のサービスを使う際にはAirPlayを使用し、音を飛ばすことはできる。
その際、楽曲のコントロールは可能である(選曲は不可)
また、テレビの音を出力し、迫力のサウンドで映画の世界に没入するには、Apple TVの購入が基本的に必要である(俺が知る限り、AirPlay2対応のテレビではAppleバイスからの画面ミラーリングやコンテンツのミラーリングのみで、AirPlay2で音を外部に出力できるものはない)
要するに、多くの人にとってはこのHomePodというデバイスは音がよかろうと何だろうと「ただ値段が高いだけ」の代物であるということだ。
この代物はかなり人を選ぶ、そのため買う人が限定的な上に用途もコンポ並みに限定的になってしまい、売れなかったのである。

 

オーディオの未来を模索したものの失敗したオーディオの敗北者HomePod。

先述の通り、HomePodにとどめを刺したのがこの高い値段だ。
僕はこのオーディオ体験に約4万円(税込)払う価値があると思っているが、多くの人はそのオーディオ体験をする環境が整っていない。
一声で美しい音が部屋を包み込む体験を、家で気軽に見ている映画とは思えないほどの迫真の映像体験も、多くの人は体験できないのである。
一方で、昔から高音質ではあるが用途が音楽再生に特化していて、音声でコントロールすることもできないコンポはHomePodよりも安く、HomePodと肩を並べるか、それ以上のオーディオ体験を与えてくれる。
しかも、コンポの場合はAppleバイスApple Musicのサブスクリプションの代わりに、スマホブルートゥースやCDなどから音楽を流す。
HomePodよりも少し手間がかかるが、安く、HomePodレベルのオーディオ体験を提供してくれる。
さらに、Bluetoothで各デバイスApple以外も含む)から音を飛ばすだけであれば、Bluetoothスピーカーで十二分に役目をはたしてくれるのである。
しかし、勿論BluetoothよりもAirPlay2の方が音質がいい。
AirPlay2が使いたいんだ!!
という人にはヤマハなどが出しているAirPlay2対応スピーカーがある。
さらにこいつらはAirPlay2にしか対応していないHomePodに対してBluetoothにも対応している。
そう、この市場にはほとんどHomePodの居場所などほとんどなかったのだ。
結果、先日生産終了が告げられ、現在ある在庫限りで販売終了する。
iPodで多くの音楽を持ち歩く世界に、iTunesは音楽をオンライン上で販売できる世界に、iPhoneApple Musicは音楽コンテンツにお金を払うのではなく、多数の音楽が含まれた一つのサービスにお金を払う世界に、AirPodsは世界のオーディオの世界の概念を覆し、音質ではなく利便性で勝負する世界に変えた。
Appleは音楽を変えてきた。
そんなAppleはかつて、iPodの音楽を家で高音質で楽しめるような世界を作ろうとしたが、サードが強すぎるのと、値段が高すぎて失敗した。
というよりも、iPodの音楽を家で高音質に楽しめる世界を既に他のオーディオメーカーが作りあげてしまっていた。
そして、2017年にはApple Musicという武器とSiriを引っさげて今度はHomePodという形で家ナカ音楽のスタイルに革新を起そうとするも、これもまた他社が既にやっている上に、値段も高く、さらに他社の製品の方が優れている部分が多く、おまけに性能を生かせる人が限定的であることが主な原因となって敗北した。

しかし、音は確かである。
環境はすでにある。
いい音を気軽に楽しみたい!
いい音と暮らしたい!
いい音を生活に取り入れたい!
という方は、店舗を回って在庫ある店で買うか、在庫がきれないうちにApple Storeで買うといい。
OSのアプデはHomePod mini同様にサポートされるらしい

www.apple.com